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IIJビジネスフォーラムに参加してみた [職]

総務省の情報通信国際戦略局情報通信政策課長の谷脇氏の講演があったので参加してみた。
講演では総務省のスマートグリッド研究会の報告書をもとに幅広く行政としての方向性などをお話し頂いた。
報告書はとても包括的にクラウド導入の課題などを整理している。クラウドの関心のある人は一読をお勧めします。

講演を聴いて疑問に思ったのがインターネットアクセスインフラは世界最高レベルなのに利活用が進まないのはなぜか?
また、クラウドで利活用を促進させるとする根拠である。
数年前のe-japan戦略で達成したこと、出来なかったことなどの総括が欲しかった。
資料中にもあるが、政府の利活用が個人、企業の利活用と比べ最も遅れている。
政府が率先して霞ヶ関クラウドや地方行政のクラウド化を提案しているが、民間の知識、技術を活用して進めて欲しい。

パネルディスカッションのほうは日経新聞とNHK、そしてはやぶさ中継の和歌山大学がそれぞれの活動について報告があった。
日経はWEB刊、NHKはオンデマンドと新しいビジネスモデルはそれぞれ順調に伸びている。
活字離れなどと言われているが、「紙」離れとは同義ではなくまったくそんなことはない。スマートフォンやパッド端末への対応を進めていくとのこと。これはWEB刊を始めたタイミングがよかった。
WEB刊によって特ダネを他紙に抜かれてもその日の午後にはキャッチアップできた。
記者は特オチが怖いとよく聞くが、そうした考えも衰退していくのかもしれない。Y!のようなニュースアグリゲータの存在によりどこが特ダネをとったかというのはあまり読者の関心にない。記事そのもののバリューを高めるような価値観の変化が記者の中に生まれることを期待したい。そのためには匿名記事ではなく、署名記事をもっと増やしていくべきだろう。

NHKオンデマンドは会員の6〜7%が実際にお金を払って頂いている。ほかは無料会員。主な利用者は30〜50代の男性。これには驚いた。女性のほうが多いものと思っていた。
収支均衡までにはあと5倍必要らしい。8〜9月の間、試験的に300円を100円にしたところ売上が2倍に増えた!利用者の値頃感と自分たちの感覚がずれていることを実感。定額制なども検討しているそうだ。

両者の話を聞いて改めてインターネットは「時間と場所の制約からの開放」なのだと思った。
紙媒体では次の朝刊まで丸一日のタイムラグがある。それは大きい。けれどネットなら数時間で追いつける。これは朝刊に間に合うための〆切という概念もなくなる。夜討ち朝駆けなんてハードなワークスタイルも変わるかもしれないと思った。
NHKオンデマンドは放送では届かないサラリーマンのニーズが高く、放送局の時間に制約されないライフスタイルが実現できた。その価値があると思う人たちが有料番組を視聴している。
こちらもやはりアーカイブとして長く残るために良い番組作りをするインセンティブが高まるのではないだろうか?

そして、両者とも既存のビジネスモデルとの両立に苦心しているのが興味深かった。
それは最も難しい戦略であり、既存モデルの撤退戦略もまた、必要だろうと思った。
NHKは規制があるので撤退はあり得ないが、オンデマンドで利益を上げてはいけないとの縛りがあるので仮に儲かるようになったら無料にしなければならない(それは現状夢のような話だが)。そうすると民放を圧迫する懸念もあるしということで悩みは多い。

クラウド導入の阻害要因には既存資産(サンクコスト)の膨張と「棄てる」という割り切りができないというのはあるのかもしれない。


和歌山大のはやぶさ映像は何度見ても涙するわ−。


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