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ブラック・スワン降臨―9・11‐3・11インテリジェンス十年戦争 [書]

ブラック・スワン降臨―9・11‐3・11インテリジェンス十年戦争

ブラック・スワン降臨―9・11‐3・11インテリジェンス十年戦争

  • 作者: 手嶋 龍一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/12
  • メディア: 単行本
米国オバマ大統領のビンラディン急襲作戦から始まり、東日本大震災、津波そして福島原発危機に対する日本菅首相を対比させて描いた本書は「インテリジェンス戦争」とあるが、主なテーマはリーダー論にある。
そもそもインテリジェンスにはインテリジェンスサイクルというものが機能して始めて効果を発揮する。
対比させているとはいえ、米国が素晴らしくて日本がダメというわけではなく米国でもトップの都合の良い情報しか上がらなくなるという事例をブッシュ時代に起こっていたことを描いている。
そもそもリクワイアメント(要求)があってはじめてインテリジェンスサイクルが回るのであり、そうした要求をインテリジェンス部門にきちんと伝えなければ欲しいインテリジェンスは得られない。

トップが明確な要求を周りに伝えることが出来ていたのか?という点は日本の場合特に重要である。
太平洋戦争を始めておきながら終戦を決められず、天皇陛下の御聖断によって決したことからずっとこの国のトップが決められない時代が残念ながら続いている。
なにもそれは政治に限らない。
多くのトップが決められないことにより迷走を続ける企業は多い。

最近はやりのビックデータなんてのも目的もなく導入したところで失敗は目に見えている。
10年以上前にもビジネスインテリジェンスなんてのが流行った。データウェアハウスを作ったりした企業が今も機能している企業はどれほどあるだろうか?
Googleやamazonのようにビジネスの中核として機能する企業の多くは西欧諸国だ。


しかし、この国にもきっちりと終わりをみて準備をし、始めた日露戦争のような事例はある。
大学院時代に学んだ言葉に「はじめに終わりを考える」という言葉を学んだ。
これはレオナルドダビンチが残した言葉だが、自分はこの言葉を聞いてから日々の仕事の中で意識するようになった。
日本人だから出来ないわけではない。トヨタのプリウスのように明確なトップの要求によって成功した事例はある。

強い信念を持ちつづけられるかどうか。そして結果がどうなろうと受け入れる覚悟が持てるかどうか。
本書を読んでそんなことを改めて考えさせられた。

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